スキーには、スキー技術と練習法という二つの考え方があります。
技術とは、技法とも言いますが、つまり、滑り方の表現ともいえる滑り方の形式ともいえるものです。
それに対して、練習法とは、技術習得に至る道筋ともいえる練習の方法です。
道筋とは、言いかえれば、カリキュラム(系列的に配列した練習内容)のことです。練習内容をすすめるにあたっては、さまざまな言葉や表現があります。言葉や表現が変わったからと言って、目標とする技術が変わったわけではありません。
指導の現場において、技術要領の習得を目指して、さまざまな言葉や態度などで表現します。とかく言葉(言い方)や表現の仕方によって、技術(滑り方)そのものが変わったと誤解してしまうことがあります。一般スキーヤーにとっては、技術とそれを伝える為の言葉や感覚的表現を区別して理解すべきだと言っても、分けて考えることは難しい問題でしょう。
それは、これまでの練習法は、目標とする技術を習得するためのプロセス(手順、過程)であったからです。
たしかに指導法や練習法は、目標(技術)に至る道筋ですが、そのために伝えようとしる言葉は、必ずしも技術そのものを左右するものではありません。特に感覚的表現は技術の本質を左右するものではありません。
BSAの場合は「バイペダリング・クロスターン」は、目標とする技術(運動要領)であって、指導現場における言葉遣いや要領、また、アドバイスが変わったからと言って、滑り方(技術)の本質が変わったわけではありません。
スキーを学ぶものは、表面的な言葉やアドバイスに迷わされることなく、目標とする技術の本質を見抜く力を身につけたいものです。
(平沢 文雄)
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