スキーの魅力は、なんだろうかと思索していたら、行きついたところは、”雪”でした。
雪国に生まれ育った私でも、空から降ってくる雪は、なんともいえない美しさです。
雪片が空にただよいながら、舞い落ちてくる情景はあまりに神秘的で、いつまで見ていても
あきることがありません。
サラサラの白い粉のような雪片、直径が4センチもあるようなぼたん雪、
風に舞ってなかなか落ちてこないカシミヤのような軽い雪。
「雪見酒」の真髄は、厚く積った雪や景色を眺めながらの酒ではなく、
空から舞い落ちてくる雪片の表情を眺めながら味わう酒ではないかと思うのです。
雪が野山に積らなければスキーはできないのですから、スキーの魅力は雪ですといっても、
当たり前のことで、とくに驚かれることはないでしょう。
しかし、スキーの楽しさとはなにかと問てみても、楽しいというこころは個別的で多様です。
やっぱりスキーに誘われるこころの奥には自然の、雪の魅力があるからではないでしょうか。
具体的には、スピードの爽快感、技術上達の達成感、斜面の克服感、からだに感じるリズム感、
そして、競い合って得る勝利感などが、楽しさの要因ではないでしょうか。
- 平沢 文雄 -
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